自社の魅力の書き出しから始める
山崎:会社からみると、求人、採用、入社後の教育という流れがありますが、その中で求人は、どれくらいの比率で、どのような役割をしているとお考えですか。
岡野:単純なビジネスモデルを考えた場合、求人は人の調達部分ですよね。人という労働資源と単純に考えれば2割ぐらいですかね。後は人にどれだけ依存するビジネスモデルかで変わってきます。
たとえば、美容室やプログラミングのように人がいないと成り立たない労働集約型ビジネスだと、どのような人がいるのか、人が育つ会社なのかとか、人による差別化が増えてきます。そこは商品がいいからではなくて、「あの人から」という要素が昔よりは大きくなっていると思うんですね。物自体が良いのは前提としてあって、それでサービスで差がつかなければ、あとは人という部分になってきていると思います。
そこの部分が大きくなってきているのは実感していますから、求人という部分は 3割、4割ぐらいにはなってきているのかと思います。
山崎:求人に力を入れると採用や育成が、やりやすいことは、あるのでしようか。
岡野:ありますね。例えば教えられないとできない、でも教えられたことはしっかりやるタイプと自分で学ぶ力が大きいタイプがあります。
自社のステージが成長ステージで、どんどん人が入らないと仕事がさばききれない状態であれば教育にあまり時間が取れない。それを求人の段階で「教育の時間がとれないこと」をきちんと伝える。自分で学ぶ力が大きい人は良いけど、人に教えてもらうことで学び取っていくタイプの人に関しては入社してもらっては困るということになると思うんですよね。
山崎:特に中小企業が求人を行う場合のアドバイスはありますか。
岡野:そうですね。「求人は合理的に済まそう」というところはあると思うんですね。ただ中小企業にとっては、この本で書いているような自社の魅力の書き出しから始めることを是非やっていただきたいですね。
なぜかというと大企業は担当の部署があって、ブランディングを含めて全体を見る機能がたくさん有るんですね。そうしないと他社と競争していけませんから。中小企業は通常、社長さん一人で、そこまでできていないです。ですから求人をきっちりやることによって、自社の魅力、特徴の書き出しから始め、自社を知るという今までできていなかったことができるんです。強み、弱み、商品の良さだけでなく、人にとって働きやすい体制、環境かという部分をしっかり確認できるめったにないチャンスになります。中小企業でまだその部分ができていない会社さんは、しっかり時間をかけていただいたほうが良いと思います。
フレームワークを使うことで本質が見えてきます
山崎:中小企業の場合は求人、採用の専任スタッフがいることは少ないですよね。誰かが兼任で行うと思うんですね。そういう状況でいざ、自社のことを書き出すといっても何から書くのか、どうやって書くのか、漏れなく書けるのかといろいろな問題がでてくると思います。このことを解決するのに、岡野さんがこの本で紹介している「フレームワークを活用する」ことが多いに役立つと思います。この「フレームワークの活用」についても、お話いただけませんか。
岡野:フレームワークというのは、ものを考える時のヒントとして使えます。自由に考える時だと、かえって何から考えて良いかわからなくなるときが多いと思います。そんな時に、きっかけを与えてくれるツールがフレームワークなのです。言い方を変えると既にある答えを「その枠」をつくる事によってきっちり出せる、そういうきっかけになると思います。
ですからフレームワークは何事においても是非使っていただきたいですし、使えるものだと思っています。当然求人に使えますが求人だけでなく、会社の魅力を出す時、通常の業務にもフレームワークは使えます、そういうフレームワークをいっぱいちりばめた本にしました。
山崎:フレームワークに沿って考えると穴埋め式のように答えていくうちに、ひとつの形にまとまりますよね。
岡野:この本はフレームワークの話だけでも価値があると良く言っていただけますね。フレームワークがたくさん載っているのでオイシイ本だと言っていただけます。
山崎:より多くのフレームワークを持っていた方が選択肢も増え、有利ですよね。
岡野:そうですね、いっぱいヒントが出てきます。ですから壁にあたったらフレームワークを取り出して、使ったら突破口が見つかった、そういう使い方を自分自身がよくします。求人に困った→アイデアが出ない、じゃ使ってみようかと、もっともっと気軽に活用していただければよいと思います。
私は義務教育で教えても良いと思うんです。落ちこぼれと言われている人たちにも、きっかけを与えてあげればアイデア、意見が出せると思うんですよ。
山崎:何も考えが浮かばないということはまずなくなりますよね。
岡野:そうですね、自分に自信がもて、向学心が出てくることにつながると思うんですよ。
山崎:状況に応じたフレームワークの選び方というのは、あるのでしょうか。
岡野:それは個別のケースなので一概にはいえませんが、意外性があるフレームワーク、こんなの役立たないんじゃないかと思えるフレームワークに敢えてあてはめるってことをやっていかれたら良いと思います。
それを極端にしたのがこの「超求人成功法」です。通販の成功法則というフレームワークに求人を応用して全部あてはまったわけですから。一見一致しないようなものに、無理やり応用させてみる使い方がすごく有効だと思っています。
あとはたくさんのフレームワークを頭の中に入れておいてドンドン使えばいいと思いますね。何を使っていけば最短距離で目的までいけるのかは、慣れだと思います。でも敢えてさっき言ったように遠いところのフレームワークにはめてみたら意外と上手くいくこともあります。フレームワークを使うことで本質が見えてきます。
山崎:便利で応用範囲が広いから、フレームワークは面白いですね。今度は是非、フレームワークのことだけでお話を聞かせていただければと思います。
岡野:そうですね、フレームワークで一冊、本が書けますし、書く必要もあると思っています。そのときに改めてじっくりとお話します。
貴方の応援団長 山崎 耐忍


